メニュー

歯科用レントゲンを用いた骨粗鬆症のスクリーニング

 歯科のエックス線画像(レントゲン)を用いて、骨粗しょう症のスクリーニングが可能です。 日本では、骨粗しょう症の患者さんが約1000万人以上いると言われており、年々増加傾向にあります。特に女性の有病率が高く、60歳で5人に1人、70歳で3人に1人、80歳では2人に1人が骨粗しょう症であるとされています。骨粗しょう症では、転倒や軽い衝撃で骨折しやすくなるため、早期発見と予防が重要です。

 歯科診療で撮影されることが多い歯科用パノラマエックス線画像では、顎骨の状態が映し出されますが、骨粗しょう症になると骨密度が低下し、顎骨にもその影響が現れます。この特徴に着目して、AIを用いて顎骨のパノラマエックス線画像から骨粗しょう症に関するリスク判定を行うことが可能となりました。

骨粗しょう症とは

 骨粗しょう症とは、骨が弱くなり骨折しやすい状態を指します。骨粗しょう症によって骨強度が低下すると、転倒や荷物を持ち上げるなど日常の何気ない動作で骨折が起きやすくなります。また、自分の体重に背骨が耐えられなくなり、気づかないうちに背骨が骨折していることもあります。骨粗しょう症では、背骨や足のつけ根、手首、腕のつけ根で骨折しやすくなります。

原因

 骨は成長期にカルシウムを蓄積し、20歳前後で最大骨量に達します。最大骨量に達した骨は古い骨を壊し、新しい骨を作るリモデリングを繰り返しながら、40歳半ばまで最大骨量を保ちます。しかし、加齢女性ホルモンの減少カルシウム不足などでこのリモデリングがアンバランスになると骨量が減少します。また、遺伝運動不足甲状腺機能亢進症関節リウマチステロイドの長期服用なども骨量減少の原因となります。

予防と治療

 骨粗しょう症による骨折が起こると、寝たきりや認知症につながることがあります。そのため、予防や治療が重要ですが、現在の骨粗しょう症検診の受診者数は全国平均で4-5%(2015年)と低い状況です。日常生活において、骨粗しょう症の予防には運動や食事が基本となります。カルシウムの摂取量は、推奨される700-800mg/日ですが、実際の摂取量は500mg/日(20歳以上の女性)と報告されています。 治療は患者さんの状態に応じて、骨吸収抑制薬ホルモン剤ビタミン剤などを内服することになります。

診断

 整形外科等で行う骨粗しょう症の診断には、骨の量や成分(骨密度)の測定を行うためのDXA(DEXA)法、超音波法、MD法、CT法などの詳しい検査があります。 当院でできること 当院では、歯科の検査に用いる歯科用パノラマエックス線写真をAIが解析し骨粗しょう症のリスクのある患者さんのスクリーニング検査を行っています。歯の検診を受ける際に骨の健康状態も確認することで、骨粗しょう症のリスクを早期に発見できる手助けとなります。

専門医院への紹介

 該当所見があった場合は、整形外科にご紹介させていただきます。

 

 詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME