メニュー

顎関節症、あごの関節の痛みについて

あごの痛み、顎関節症について

顎関節症(以下、本症)とは、顎(あご)の関節やあごを動かしている筋肉(咀嚼筋)の痛み、顎関節雑音、開口障害あるいは顎運動異常を主要症候とする障害をとりまとめた病名です。

そのため本症の代表的な症状は、「痛み」「口が開かない」「雑音」の3つです。

原因

本症の原因は下記の4つに分類できます。またこれらが合併していることもよくみられることです。

  1. あごを動かす筋肉の痛みを主な症状とするもの(咀嚼筋痛障害)
  2. 顎関節部の痛みを主な症状とするもの(顎関節痛障害)
  3. 顎関節の中のクッションの役割を果たす関節円板のずれが生じるもの(顎関節円板障害)
  4. 顎関節を構成する骨に変化が生じるもの(変形性顎関節症)

本症の治療に対しては上記の原因の検索、診断を正確に行い、適切な対応をとる必要があります。また患者様の状態により関節内部及びその周囲の状態を正確に評価するために、総合病院などの医療機関にてMR 検査を実施することも必要です。

治療方法
  • 日常生活習慣指導

本症の発症には、日常生活における行動や癖が症状と関係している場合がありますので、ご自身で気をつける事で症状が軽くなる場合があります。具体的には、「顎関節や咀嚼筋への負担を減らすため、硬い食品や長時間の咀嚼は避ける、頬杖をやめることや体幹を整え上半身の姿勢をよくする、また、無意識で上下の歯が接触させて力を入れていることに気付いたら歯の力を抜く特に強い心理的な緊張を感じる環境があれば、それを改善し避ける」などです。

  • 理学療法

理学療法には物理療法と運動療法があります。物理療法は、ご自身の手指による筋肉のマッサージ、ホットパックなどによる温罨法(おんあんぽう)、医療機関にて行う低周波治療による筋肉への電気刺激、鎮痛を目的としたレーザー照射などがあります。

運動療法は患者様ご自身で行ってもらうものですが、筋肉や靭帯などの柔軟性や伸張性を改善するストレッチや、顎関節の動きを良くして開口量を増加させる下顎可動化訓練などがあります。

  • 薬物療法

医療機関では、顎関節や咀嚼筋の痛みに対して、内服もしくは外用薬として消炎鎮痛薬を用います。また筋肉の症状が強い場合にはその症状をやわらげる薬剤を使用することもあります。

  • 口腔内装置(マウスピース、スプリントなど)による治療

最も一般的な装置はスタビリゼーション型と呼ばれ、上顎または下顎に装着し全部の歯を覆うもので、睡眠時のはぎしりやくいしばり(睡眠時ブラキシズム)時の咀嚼筋の緊張の緩和や、顎関節部への負荷の軽減を目的としています。関節円板(関節内のクッション)のずれ、偏位が強く口が開けにくい場合にはピボット型装置と呼ばれるものを使用することも多いです。

治療期間

本症の治療期間はさまざまで、1,2ヶ月程度の比較的短期間で改善する場合と、半年から1年以上症状の改善にかかる場合もあります。

一般に、年齢的な変化や関節リウマチなどの疾患のために顎関節部の骨の形態の変化が見られる場合にはかなり長期間の治療が必要です。

(日本顎関節学会資料より引用)

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME