虫歯のこと
虫歯は、口の中に居る細菌が砂糖のような糖質を酸に変えて、歯の表面にあるエナメル質を溶かしていく現象です。
虫歯の治療については、その重症度合いによって、治療方法が異なります。
もちろん一番重要なことは虫歯の予防
歯の間のむし歯を予防するには、デンタルフロスを効果的に使いましょう
歯と歯の間(隣接面)はとても虫歯になりやすいところです。またここからの虫歯は、見えない場所から出来てくるため、小さなうちの虫歯を発見することは難しいのです。この場所からの虫歯を予防するためには、歯ブラシだけでは毛先が届きにくいため十分ではなく、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシを使う必要があります。
またデンタルフロスを使うとき、ただ糸を歯の間に入れたり出したりするのではなく、歯のくっ付いている面をしっかりこすることが大切です。使い方も人それぞれまちまちの使い方をしているようです。どこをこすればいいのかを知るには、どこにむし歯ができるのかを知ればいいのです。むし歯のできる場所を知って、その部分をしっかりデンタルフロスでこするようにしましょう。
小児のお口の中の写真があります。この写真に写っている6才臼歯は、歯の間からむし歯ができ始めています(白く濁っているところ)。たまたま乳歯が交換で抜け落ちたので、歯の間が直接見えてわかったものです。ここに隣の歯があれば、虫歯の部分を見ることはできません。
むし歯ができているのは、歯茎の少し上からです。だからデンタルフロスでこするのは、歯茎の境から少し上の部分にかけてこすればいい、ということがご理解頂けることと思います。
(外見からはわかりにくい、歯と歯の間の虫歯(黄色矢印))
効果的なデンタルフロスの使い方
まっすぐ出し入れするだけでは清掃効果は低いため、歯の面に糸が弓なりになるように押し付けるほうが効果的です。
(ビーバー小児歯科 俵本寛志先生:資料、写真ご提供)
軽度の虫歯治療
フッ素を塗ったり、詰め物で歯の溝を埋めて、これ以上悪くならないための治療をおこないます。
中程度の虫歯治療
歯の痛みが出たり、歯茎に炎症が出た場合のように、自覚症状が出た時は中程度まで進んでいる場合が多くあります。
初めに、虫歯部分を削り取り、その後、詰め物により補修をおこないます。
詰め物は、種類があり、保険適応のものと、適応外のものがあります。
また、歯髄と呼ばれる神経が炎症を起こしていたり、腐敗している場合は、歯髄を取り除く治療をおこないます。(根管治療)
歯髄を取り去って残った根管と呼ばれる箇所を埋めて、治療は終了となります。場合によっては、クラウンと呼ばれるかぶせものをして治療することもあります。
重度の虫歯治療
重度の虫歯の場合は、抜歯が基本となります。この場合、虫歯になっている歯だけでなく、あごの骨の中に異常が認められる場合があります。その場合は、虫歯部分だけでなく、総合的な治療、手術などが必要になります。